3月4日(土)多摩市立関戸公民館で
劇団風の子『ないしょないしょのしっぽがぽん』終演後、
アフタートークを開催しました。
作・演出の大森靖枝さん、出演の高村映摩さん、新堂雅之さん、野田ちひろさんと
進行は支援する会の寺村がつとめ、
お客様が3~40名残って参加してくださいました。
まずは、簡単な自己紹介の後、
このお芝居が出来上がるまでのいきさつを聞きました。
大森さんがある幼稚園で行ったワークショップのなかで、
一人の子が「狸が来ないと眠れない」と発言したそうです。
その発言に子どもたちも先生方も大笑い。
大森さんはみんな大笑いしているけど、
あまりの突飛さに戸惑いもあり・・・
それでも、その子の発言を受け止めたところ、
次々に自由で面白い発言が飛び出したそうです。
ここでの経験から『狸が来ないと眠れない』というキーワードを元に
お芝居創りがスタートしたそうです。
一人の子どもの発言からお芝居創りが始まるなんて、
なんでもありの自由な雰囲気をつくりだす風の子(大森さん)の成せる技と感じました。
※ワークショップとは、参加型・体験型の講座のこと。ここでは、劇団員のリーダーが働きかけ、表現遊びやリズム遊び、お話し創りなどをしたりします。
エマさんからはセットにまつわる裏話を聞きました。
招き猫と狸の置物がある子ども部屋のセットです。
こんなもの置いてある家はないよ‼️とお思いの方が多いと思いますが、
なんとエマさんのご自宅にはあったそうです。
そして、更にエマさんの幼少期の不思議な体験・・。
走るのが遅く、運動会が嫌で嫌で行きたくないと思っていたら、
夢に狸が出てきたそうな。
夢の中で狸は『ポテトチップスをお供えしたら1位にしてあげよう‼️』と言ったそうです。
エマさんは起きると大急ぎでお母さんにこの話をしたところ、
お母さんも大急ぎでポテトチップスを買いに走り、
ふたりでお供えをして拝んだそうです。
すると、なんと運動会で1位になった‼️
こんなことがある?という狸に化かされたような、
狐につままれたような本当の話だそうです。
こんな不思議体験もこのお芝居の底に流れているんですね。
新堂さんは劇団風の子の劇団員ではなく、
一糸堂のクラウンとして活躍されている方です。
新堂さんが出演されている舞台を観たり、
風の子でマイムの指導をしてくださったりしたときに、
大森さんが「おたぬばあちゃんのイメージにぴったり!」と思い、
出演をお願いしたことなども話してくださいました。
狸のしっぽがとれる場面や細かな動きの表現を
クラウンならではの視点や技術を生かし、
よりステキなお芝居に仕上がっていったそうです。
ちひろさんからはお芝居に関わった人達が意見を出し合い、
表現仕合ながらつくりあげた様子を聞きました。
ワークショップに参加した子ども達を含め、
様々な人のアイディアと経験が折り重なり創りあげられたお芝居なんだ
ということが伝わってきました。
参加した観客の方からは、
「お芝居が出来上がるまでの時間や稽古にかかった時間はどのくらい?」
「セットをつくりあげるまでの時間は?」
「お父さんの存在はどうなっているのかしら?」という質問もありました。
「いろいろな仕掛けや伏線が張られていて、
子どもも大人も楽しめるお芝居だと感じました」という感想もいただきました。
あっという間の30分で、もっともっといろいろな話を聞きたいと思う
アフタートークでした。
最後に、観に来ていた子どもの感想を、
「3人しか居ないのに、いろんな役の人が出てきてスゴいと思いました。楽しかった。
また、観に来たいです。」
このように新堂さん、ちひろさんの七変化に魅了された方は
多かったのではないかと思います。
私もその1人です。
リポートは、司会をつとめた寺村でした。